温度計を校正する際の注意点まとめ

測定器は適正使用のために正しいことを確認しておくことが必要になります。それが校正と呼ばれています。正しいとされている標準と比較してずれがある場合には調整を行う行為です。それを行なっていない測定器は、正しいのかずれがあるのかわからない状態と言えます。そのような状態で計測された結果を何かの判断基準にしてしまうと正しい結果が得られないことになります。だからこそ定期的に全ての測定器で行われる必要があります。温度計についても正しい値を示していることを確実にする必要があります。使用されている場所が多いため他の測定器と異なり、効率的な方法を考えないと費用や時間がかかってしまいます。効率的な方法を組み合わせて、適切性が損なわれないような運用を検討することが重要です。

適正さを保証する最も確実な方法

温度計の校正を行うにはいくつかの方法があります。それぞれ時間や費用が変わってくるので、適切と思われる方法を組み合わせて行う必要があります。最も確実なのは国家標準とトレーサビリティーが確保される方法です。計量法で規定されている国家標準との比較によって正しさを保証するまたはその履歴をたどることで国家標準にたどり着くことができる方法です。この方法なら国家間のやり取りの時にも問題なく受け入れられるため安心です。ただし、その方法ができるのは国際規格でその能力を審査された事業者のみになります。外部に依頼するためその分他の方法よりも余計に費用がかかります。また、業者のスケジュールも影響するので時間もかかります。だからこそ社外に適正であることを示す必要があるような最低限の測定器だけを対象とした方が効率的です。

費用をなるべくかけずに行う方法

外部に依頼することが最も確実な方法であることは事実ですが、温度計のように多くの場所で使われている場合には、全てに適用することは費用的に非効率になります。外部に委託する校正の費用にもよりますが、新品で購入した方が安く済ませることもあります。もちろん新しく購入したものが適正であることを確認する必要はありますが、劣化の恐れがあるものを費用かけて校正するよりも費用は安く済む場合があります。それよりも安価で済ませる方法は社内で行うことです。外部で適正を確認されたものを標準として比較します。実施者の技量を確認し、認定しておく必要はありますが、社外に依頼するよりも確実に安く済ませることができます。外部で委託した測定器とのトレーサビリティーを確保することで、国家標準との経緯も確実にすることができます。