温度計の校正についての基礎知識

様々な状況で使用される温度計には大きく分けて2種類あります。測定する方法による分類で接触型と放射型になります。接触型の方が正確な値を計ることができますが、工場のラインなど測定物に接触させることで効率が下がるような場合や測定物が高温で接触することで測定点が破損するような場面では非接触の放射型の方が使われます。接触型は異種金属間の変化の違いを数値して変換したものです。変化とは電気の量や変形量になります。放射型は測定対象が放つ赤外線の量を数値化して変換します。どちらも数値化した結果を規定の温度に当てはめて測定値としています。だからこそ、校正を行わなければ正しい値を表示していること保証することができません。そのため定期的な実施が必要になります。

国際的に決められた特定標準器の適用

温度には定点と呼ばれる決まった値が存在します。例えば水の三重点です。水は環境条件によって液体、気体、個体と形を変えます。その全てが存在することができるのが三重点です。0.01度に値しますが、熱力学に273.16Kとケルビンによって規定されています。その水の三重点から蒸気圧点、融解点、凝固点を規定したものが国際的な目盛りです。そして、それを実現できる装置を国家標準として利用しています。規定された年が1990年であったことからITS-90と呼ばれています。トレーサビリティーが取れる校正は。この国家標準との比較によって行われます。この方法を定点法と呼びます。このほかにあらかじめ校正されたものとの比較によって行う比較法があります。定点法の方が不確かさは小さくなりますが決められた範囲しかできないデメリットがあります。

測定範囲が広い放射型の実施方法

非接触の放射型のメリットは測定物に触れなくて済むことのほかに測定範囲の広さにあります。もともと接触型では計ることが難しい高温域の測定に利用されることがほとんどでした。とくに溶鉱炉やガラス製造所などには放射式が不可欠でした。そのため放射型のトレーサビリティーを確保できる範囲は400 度から 2000 度で十分でした。非接触の魅力は通常の範囲でも求められるようになり、最近ではより広い分野で校正が必要となってきました。そこで-30度から160度でもトレーサビリティーが確保できるようになりました。方法としては国家標準を用いた定点法のほか、標準黒体炉と呼ばれる放射が一定となる装置との比較によって行う方法があります。放射型の場合は測定物の発する赤外線の量によって測定しています。その測定される赤外線の量と温度の調整を行います。

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