温度計は最も一般的な測定器です、多くの人が日常生活で気にするため家庭や街頭などでも使われています。暑いのか寒いのかを知るだけであれば1度程度の誤差を気にすることはしません。ただし、何かの基準となるような場合には1度の誤差が人に悪影響を与える恐れもあります。特に食品については大きな影響を与えることになります。加工するときに1度低かったことで加熱が十分できないことから食中毒を起こしたり、保管庫が設定値よりも1度高かったため早めに腐食が進んでしまうようなことがあります。そのようなことが起きないように適正な測定値を表示できることを定期的に確認しておく必要があります。そのように測定値の正しさを確認し、誤差があれば調整することを校正と呼びます。
水の三重点を測定することで正しさの確認
水は固体である氷、液体である水、気体である水蒸気と環境によってその態を変えます。その3つの態が全て存在する点を水の三重点と呼びます。水の三重点は、圧力が0.06気圧の時に0.01度になります。このように必ず決まった値をしめす状態で校正を行います。実際には1990年に規定された国際温度目盛と呼ばれるものがあり、国際単位系であるK(ケルビン)で様々な現象に対する値が示されています。それらを測定して測定値の正しさを確認し、適切であることを保証します。この方法が最も正確であるとされていて、トレーサビリティーの確保が必要な場合でも通用します。この方法を行うためにはそのための技術的な能力があることが重要です。そのため通常は試験所などの外部機関に委託して行います。
初心者でも簡単に確認できる方法
外部機関に依頼するのは費用もかかるのでもう少し簡便に行いたいと言う時には同じものを測定して比較する方法がおすすめです。例えば水の氷点です。比較するために2つの測定器を用意します。確認される測定器と標準になる測定器です。標準となる測定器は外部で校正されていると、トレーサビリティーを確認できるので安心です。まず、深いバケツのような保温性の高い入れ物を用意します。そこに氷を詰めます。できるだけ細かい方が効果的です。そこに容器の半分ぐらいまで水を加えます。その容器の中に確認される側の測定器と標準となる測定器を同じ測定点の高さになるように入れます。結果としてどちらも0度になれば正常です。このように必要な温度計を全て比較することで誤差の有無を確認することができます。